This is it.

This is it.

Catch the moment

8/12 aftersun

8/12 aftersunを見に行った。見に行こうと思いつつ、気分とタイミングが合わず先延ばしにしているうちに、公開から2ヶ月以上経っていた。見たいものほど良いコンディションで見たくて先延ばしにしがち。帰省中に名古屋の映画館とかで見られたら嬉しいな〜と調べてみると、地元のミニシアターでちょうどやっているという。aftersunは地元で晴れた夏の日に見るのが自分とこの映画のMAXだろうなと思ったので、快晴の日を狙った。シネックスで映画を見るのは初めて。お盆休みということもあってか思ったよりも人がいた。本編中は割とぼーっと色々と思い巡らせていたのに、エンドロールで急にたらーっと止まらなくなった。余白に自分が入っていってしまって困る。いい映画ってことだ。ここで見たらしんどくなるとわかっていて、行ったのは君でしょう。感傷的なのではなく、感傷的になりにいっている。君はいつも自分のことばかりに敏感で傷つくんだね?動く気になれずに、パンフレットをロビーでぼーっと読んだ。1時間ほど経っていたらしい。そろそろ行くか。シネックス、よい劇場だ。もっと高校生の時とか通ってみればよかったと思ったけれど、その時はまだ映画に出会っていなかったんだから仕方ないか。

f:id:bourongo:20230816233625j:image

真向かいの高島屋に入ってみる。関東や名古屋のデパートよりも敷居が高い感じがして入りづらい。眼鏡屋さんでサングラスをいくつかかけた。今年の夏はサングラスとポロシャツが欲しいんだ。

商店街を散歩してみた。思えば、こうしてこの通りをじっくり歩いたことはなかったかもしれない。色んな店があったんだなぁ。有名な栗粉餅を初めて買ってベンチで食べる。やわやわで美味しい!!商店街を歩いて思ったけれど、ベンチがいたるところにあるのってめちゃくちゃいいな。

かき氷を食べに神社に向かう。これは行き慣れた道。駅とは反対へ真っ直ぐ。真夏日だ。岐阜が全国で1番暑かったらしい。39℃だって。いつもなら5分もしたらヘタるのに、ずっと歩けた。太陽も心地よかった。「青い瞬きの途中で」をリピートしながら歩く。多分これからもあのワンシーンを思い出して大丈夫になったり、大丈夫じゃなくなったりすんだろうな。神社へ向かう道の広さはずっと好きで、またこれがいい緑だった。少し並んでかき氷を食べた。帰省する度に思うけれど、やっぱりここのかき氷が1番。おじちゃんのかき氷がいっちゃんだよ。色んな味があるから挑戦したいな〜と思いつつ、毎回桃か、白桃アールグレイにしてしまう。今回は白桃アールグレイ。中にバニラアイスが入っている。なんとなく今日伝えたくなって「やっぱりここのかき氷が1番好きです」と帰り際に言えた。笑ってくれて嬉しかった。

f:id:bourongo:20230816234616j:imagef:id:bourongo:20230816235141j:image

5時のチャイムがなってもまだまだ暑い。陽が落ちたら帰ろうと、メディコスことメディアコスモスへ涼みに行く。改めて見るとカッコいい。とりあえず2階にあがること数分、こちらを見てくる人の方を向けば友人で声が出る。地元すぎる。これから恋人(こちらとも友人だ)とその家族と花火大会へ行くところだという。到着した車の方へ向かい、友人とご両親に挨拶をする。少し話して帰ろうとすると、「時間大丈夫なら一緒に行かん?」と誘ってもらった。流石に邪魔では…?vs行きたいなの戦いは、お母さんの「乗っちゃえ!」の一言で行きたいが圧勝しRide on。根尾川の花火大会へは初めて行く。車内では他愛もない話をし、聞いた。友人とご両親が話している様子や、2人の帰省話を聞いてみんな仲がいいんだな、と思った。親とこんな感じで談笑するんだとか、お盆に親戚で集まったりするもんなんだ、とか。後部座席の自分だけが遠く、どうやってもそこには辿り着けないような眩しさを覚える。川一本を越え、知らない道を走る。入道雲の合間から夕暮れの陽が一面の青田を照らす様子はとても美しかった。まだ見ぬ秋にこれらが稲穂になる様子も美しく思った。みんなは本当にこの美しさを分かっているのかな、なんてことを思ってしまった。誘ってもらった車の中のくせに。自分のみが場違いなような気もしたし、自分のみがこの景色に切実で綺麗に見えている気もした。でもいいんだ。こういう瞬間が訪れる度に固めるんだ。踏みしめて立ち入られない城を一人で作るんだ。こんな城はいつか君を救ってくれることがあるのかな。みんなもこんな城を持っているのかな。そうして景色を見ている内にうとうとしていると、2人がニヤニヤしながら「寝た?」と振り返ってきたから、「寝てないよ」って言った。

河原に着いて歩くと、祭りの空気を思い出した。そうだ、川が目の前にあって、石がジャリジャリして、土手に屋台が並ぶ。この日は稜線と雲がとても綺麗だった。友人のおじいちゃんとおばあちゃんとも合流して、マジの一家団欒に仲間入りをする。「おにぎりあるから、子供たちで好きなもの買っておいで」だって。子供なんだって嬉しかった。なににするか迷うな。串カツは迷う余地もなく味噌だよねと、満場一致。焼きそばとかき氷も買って戻ると、席におにぎりを並べてくれてた。レモン味のかき氷は初めて食べた。すぐに溶けちゃうや。おにぎりを頬張る。うんまいなぁ。私のは甘い五目おにぎりと高菜おにぎり。五目おにぎりが大好きな味すぎて。おじいちゃんとおばあちゃんが冷やしトマトと茄子ときゅうりのつけものも作ってくれてた。今日採ったばっかりなんやって。いっぱい食べた。

f:id:bourongo:20230820013035j:image

花火は歓声をあげてたらあっと言う間で本当に1時間以上もやってた?めっちゃ近くてデカかった。

f:id:bourongo:20230819032713j:image
f:id:bourongo:20230819032710j:image

祭りのあとはいつもこの気持ちになる。感傷的な奴だな君は。だけどとっても楽しくて嬉しかったから始まらなければよかったなんて思えないよ。

f:id:bourongo:20230820004751j:image

帰りの車内で、「こんなこともあるなら外に出てみるもんだね」と言うと「だね。だし、あの場ですぐに来てくれたからでもあるよ」と返してくれた。今日は1日で色々な場所に行ったなぁ、いい日だなと思っている内にまた瞼が重たくなってくる。そういえば、今日は昼間から沢山歩いたんだった。前の2人が「今度こそ寝た?」と振り返ってきたから「寝てないよ」って言った。

親が仕事の日は家に1人だ。ソファに腰をかけるともう寝そう。もう少し起きていたかったが眠気には抗えない。太陽よりも日焼けは残り、祭りの楽しさよよりも終わった切なさはいつも強い。台風が来てしまったら、三日前の真夏日さえ思い出せないよ。スヤスヤしている顔はなんかすごくいい夢をみるような気がするね。おやすみ。